2018年09月10日

資産家通信㉔ 賃貸or持ち家

賃貸の方が良いのか、持ち家の方が良いのかという話は良くありますが、不確定要素が多く、個別格差も大きいので、一概にはどっちが良いとは言えません。また、このような話になると、売るつもりはないから関係ないとおっしゃる方も見えますが、少し私の見解をお伝えしたいと思います。

日本国内の建物は、一度住むと価格が下がり、築年数の経過と共にどんどん価格が下がっていきます。近年では行政が中古住宅の価格を維持しよう動いてくれていますが、日本では新築志向が強く、一部のマンション以外の住宅の価格は築年数と共に下落していきます。ちなみにアメリカでは建物価格はあまり下がらず、買った値段くらいで売却出来たり、買った値段より高く売れたりすることもあります。

次に、賃貸の賃料は経費であり、住宅ローンの支払いは負債であることをきちんと認識する必要があります。賃料の支払いは使った分の利用権の支払いで、住宅ローンは借りたお金を払い続けなければいけません。賃貸であれば、家族の数の変化、収入の変化、勤務地の変化、住環境等に合わせて、その時に合った物件を借りることができますが、住宅ローンは一度借りるとどんな変化があったとしても返済し続けなくてはいけません。万が一返済が困難になり、売却する場合は、物件の価格が下がっているので売却しても借金だけが残ってしまう可能性があります。

上記のことから、ありきたりな結論ですが、住宅ローンを借りるとしても、一生に一度の買い物だからと無理はせず、余裕のある返済計画で購入できる住宅にしましょう。

夢のマイホームだという気持ちも分かりますが、住宅ローンのために家族で過ごす時間を減らさなくてはいけなくなるようでは本末転倒な気がします。
建物というモノだけに夢を見出すのではなく、家族と過ごす時間にこそ夢を見出す必要があるのではないかと思います。

※新築で購入する場合、収益価格から経済合理的に考えると、ほとんどの物件は賃貸の方が有利ですが、地方で特に戸建の場合、購入する戸建と同等の賃貸物件はほとんどないため、これも賃貸の方が良いのか、持ち家の方が良いのかという論争を複雑にしています。

追記
購入する物件と同等の賃貸物件がない以上、クオリティオブライフと言われるような人生の質を向上させるためには住宅の購入が必要な場合もあると思います。購入物件だからこそある設備や構造、子どもさんがいらっしゃる場合の音の問題等。
ただし、資産価値が棄損されるという前提があるのなら購入物件も賃貸物件同様に対価を払っているという認識を持ち、その利用権や質に対して高すぎないかは検討する必要があります。




このページのトップへ

copyright (C) NOMURAKAIHATSU.CO,LTD All rights reserved.