賃料下落率と設備の交換費用等の資本的支出を、どの様に判断するかによって、収支予測であるキャッシュフロー計算書はあっという間に赤字になります。不動産管理会社である当社の賃料下落率と資本的支出の蓄積データを反映させることによって、より現実的な将来のキャッシュフロー予測をご提供させて頂きます。また、複数のシミュレーションを行うことにより、将来に変動に備えるとともに、投資、運用判断のひとつの指標として頂けます。
賃貸物件のオーナーの中には大きなリスクを無意識に抱えている方が見えます。リスクとは、不確実性です。良いとか悪いとかではなく、分からないということの変動幅です。金利が2%にはならないかもしれませんが、金利が2%になっただけで将来の収支が赤字になる運用は危険です。相続税に関しては、納税額を把握し準備しておけば、問題とはなりません。私はよく保守的だと言われますが、基本的に地主さんには生活を脅かす様なリスクがある運用は避けて頂くようにお話しします。普通の地主さんにはリスクコントロールが難しいと感じているからです。リスクを大きくとるなら、投資判断をきっちりとして、常時、運用リスクをコントロールして、不測に事態に備えた資産配分、生活設計をして頂く必要があります。
また、ある程度予測可能な外壁塗装や設備交換などの資本的支出の準備をされていな
い方も見えます。この資本的支出の予測は、建築計画時のものと管理会社の実績とでは
大きな違いがあり、建築後15~20年後からまとまって発生してくるため、賃貸物件の収入
を生活費に充てている方は、生活が苦しくなってしまいます。
相続や資産承継は、時間を点ではなく、線で考えなくてはいけません。相続税という点 だけを重視して考えると、線で考えたときに失敗する可能性があります。 賃貸物件運用の問題として、賃料の下落や空室率の増加等の収入減と修繕費、資本 的支出等のコスト増が全て借入返済後期に偏ってしまうということがあります。 相続人に収支が赤字になってしまう様な賃貸物件を引き継がせてしまうことは、仮に一時 的に相続税が節税になったとしても相続対策として失敗です。また、賃貸住宅の建築は、 借入期間の途中で売却すると損失を確定させてしまうことが多いため、基本的には、完済するまで運用を続ける必要があります。
○管理会社視点でのキャッシュフロー計算書
基本報酬額 5万円/1棟