2018年10月21日

資産家通信㉚ トヨタ経済圏の不動産

当社は愛知県の知立市で営業しており、隣接した自治体は豊田市、刈谷市、安城市となります。トヨタ自動車関連の企業が豊富にあり、子会社や孫会社だけではなく、あらゆる業種がその恩恵を受けています。私どもの不動産業も例外ではなく、好調で、他の都道府県の不動産業者の方とお話しさせていただいても、この地域は良い市場であると感じます。

この地域の不動産市場を予測する場合、「国立社会保障・人口問題研究所」の資料が引用され、この地域は2040年でも人口が減ってないので大丈夫だと言われることがありますが、私見としては大丈夫だとは言い切れないと思います。

前述の通り、この地域は不動産業にまで影響を与えるトヨタ経済圏です。地価の上昇理由としても自宅を建築するのために土地を購入される一般の方も与信力が高い(安定した企業に勤めているので借金をする力が強い)ことがあげられ、トヨタ自動車の関連企業、子会社、孫会社での雇用の確保、またそこで働いている方の需要を満たすためのあらゆる業種で雇用を確保しているため人口が微増し、地価も好調となっています。

しかし、過去を振り返れば、リーマンショック後のトヨタショックにおいては、マイナスの意味で強く不動産市場も影響を受けました。それまで2~3%で推移していた賃貸物件の空室率は一時17%程度になり、それに伴い賃料も下落しました。

自動車のことは専門ではありませんが、この地域において、この雇用を維持していくことができるのでしょうか。自動車が電気化してくると、一台の自動車を製造する部品の数が少なくなると聞きます。金属加工等の需要は継続していくのでしょうか。仮にトヨタ自動車のみが強くてもその業種のやり方が変わった時に、関連企業の雇用が確保できるとは限りません。東京に様々な業種があれば平均化しますが、一業種に頼った地域は、その業種が傾けば全体が傾いてしまいますし、業種のやり方は変われば強く影響を受けます。どの地域にも言えることですが、20年間、30年間大丈夫ですと言い切れる地域はないと思います。

人口予測は雇用状況等含めた現状が前提で予測されています。もしその前提が崩れれば人口の予測は大きくはずれ、不動産市場にも大きく影響を与えるでしょう。




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