2018年09月11日

資産家通信㉕ 運用→経営になったことによる分割の注意点

不動産の活用は、ほったらかしにしておいても何とかなった運用という意識から、気をつけないと破産しかねない経営という意識を持つ必要が出てきたと思います。

いくつかの不動産をお持ちの地主さんは、複数の物件で不動産経営のバランスを取られている方が多いです。儲からない物件を儲かる物件で補てんしていたり、借金がある物件の保険として、売却しやすい物件を所有されていたり。

こうなると分割は更にややこしくなります。単体の物件が赤字であったり、それだけではリスクが高すぎる場合は、単体で相続させる訳にはいきません。その不動産がある程度の価格ですぐに売却できるのであれば良いのですが、不動産の場合はすぐに売却できない場合も多々あります。

通常の地主さんの相続では、資産額の割合は考慮されますが、相続後のキャッシュフローや賃貸経営の健全性を考慮することはあまりありません。

わたくし、財産分析というものをやっておりまして、それをやって頂ければ、相続後のキャッシュフローや賃貸経営の健全性を把握することができます。(有料)

財産分析
https://www.smile-shisan.com/zaisan/


2018年08月26日

資産家通信㉑ 知識と価値観を相続させるということ

私のセミナーは、耳障りが良いものばかりではなかったと思います。特に、建築提案時の一般的な収支計画と不動産管理会社の実績値を反映させた収支計画の比較は厳しい見解でした。

また、内容も複雑で分かりにくかった方も見えたと思います。人口が増加していき、賃料が上がっていき、地代も上がっていった時代なら、「アパートを建築すれば相続税が安くなります。借金は賃料で返済できます。」と単純な話で良かったと思いますが、現状では、「アパートを建築すれば相続税は安くなります。ただし、借金が賃料で返せるとは限らないので慎重に考えないといけません。」という様に、話が少し複雑になります。私も建築提案をしますが、かなり限定的になったと思います。

当社は、不動産管理を主な生業としていますので、管理物件が減少してしまう様な話をすることは当社の存続を危うくするものです。しかし、旧来の提案を続けていくことは地主さんに大きな負担をかけてしまう可能性があると考えています。現状の法律や税制、旧来の運用方法では、あと数世代で地主さんはほとんどいなくなるのではないかとさえ思います。不動産管理会社は今後、ただ物件を管理し、守っていくだけではなく、地主さんを守り、豊かにすることで共に存続し、豊かになっていくべきだと考えています。

建築時の収支計画以降、実績値の統計を取ることはありませんでした。今回統計を取り、実績値を反映させた収支計画を作成しましたが、これを公表していくかは不動産管理会社としても厳しい選択であったと思います。
資産コンサル事業の立ち上げにあたり、「不動産から人へのシフト」という私の考えを承諾していただいた会社に感謝しています。

地主さんには、世代を越えても地主さんとあり続けていただくために、全体像を把握するための最低限の知識を身につけていただきたいと考えています。そのために、一通り終わるまでは、セミナーを続けていく予定ですが、中には自分に関係ない話もあると思います。自分はアパートを建築しないから関係ないという方も見えると思います。しかし、アパート建築のメリットもデメリットもきちんと把握しておいていただきたいと思います。そして、次世代になぜ建築するのか、なぜ建築しないのかという知識と価値観を引き継いでいっていただきたいと思います。

相続は点ではなく、世代を越えた線で考えなくてはいけません。みなさんも豊かに暮らしていかなくてはいけません。そしてご先祖様が残してくれた不動産はその可能性を秘めています。それを子どもさん、お孫さんに引き継いでいく必要があります。相続は、準備をしていようと、していまいと確実に発生します。
今後の人に頼ったまま地主さんであり続けるのが難しい時代では、単に不動産を相続させるのではなく、地主さんとしての最低限の知識とみなさんの価値観を相続させることが重要です。


2018年07月29日

資産家通信(16) 負債比率とDSCR

「わたしのうちの資産額からしたら、これくらいの借金平気だよね」と言う方が見えますが、それだけでは全く判断できません。
こういった場合、負債比率を判断する指標は多くの場合、相続税評価であるため、相続税評価は時価と違う場合が多く、判断が難しいです。また、資産の多くを不動産が占めている方が多いため、思い通りに換金できない場合がほとんどです。
資産運用の安全性を判断する場合、私がもっとも有用だと考えている指標は
DSCR(負債支払安全率)です。収入から支出を引いた手残りから、借金がきちんと返していけられるかを示す指標です。極端な話、借金さえ返していければ問題ないと考えています。
ただし、賃貸物件の運用は築年数の経過により収入が減り、支出が増えるので必然的にDSCRが下がっていきますので、それを見据えた判断が必要です。

※ただし、DSCRでは築年数や残債を考慮することは出来ないので、DSCRだけでの判断は出来ません。DSCR≒賃貸経営の健全性と言えるので、もっとも有用な指数のひとつであるとは考えていますが、様々な要素を考慮して判断する必要があります。


2018年07月29日

資産家通信(14) ノンリコースローン

10年ほど前、私が賃貸物件を建築する際に、融資に関して調べていて、ノンリコースローンがものすごく良いなと思いました。ノンリコースローンとは、賃貸運用が上手くいかず借金の返済ができなくなったとしても、建築した建物と建物を建築した敷地を提供すれば、それ以上の返済義務を負わないというのですが、ほとんどの金融機関が取り扱っておらず、あったとしても金利がものすごく高くなるということで断念しました。
当時は、新築の物件と、更に土地を提供しても、建築費の借金の担保として足りないのかと不思議に思っていましたが、実務に関わるようになり、その理由が分かりました。
2億円の土地に2億円の建物を建築した場合、時価としては2億円に満たないことがほとんどだということです。
つまり、この単体の土地の資産運用が上手くいかなかった場合、生活に影響を及ぼす可能性があります。生活に影響を及ぼすようでは相続税の節税どころではありません。
私の信念のひとつとして、投資家であると決心している方以外の地主さんには生活に影響を及ぼすようなリスクは取らない様にお話ししています。
ただ現状では多くの方が無意識のうちに、生活に影響を及ぼすようなリスクを取っているように感じます。
 


2018年07月24日

資産家通信(9) 最有効利用

固定資産税の高い市街化の畑で耕作されている方は、大根一本作るに何千円という方も
見えます。私は業者なので、どうしてもまず数字で考えます。
畑で耕作を行うことを生活の一部としていて、それが健康や生きがいとなっている方も多いと
思いますが、相応の対価がかかっており、その不動産を活用することによって得られたであろう
期待収益を逃していることも認識する必要があります。
その不動産を活用して得られる収益で、家族で何回外食が出来るかを考えてみても良いかも
しれません。

相続なんかで揉めたり、不動産運用でつまづくと資産なんてない方が良かったと言われる方が
見えますが、ご先祖様が残してくれた資産は、みなさんが悩みや問題の種にするのではなく、
みなさんがみなさんや家族を豊かにしてくれるものにしなくてはいけません。

また不動産を運用して稼ぐということに抵抗がある方も見えますが、その不動産をもっとも
評価してもらえるようにして、借りてもらうことは社会貢献となります。

現状の国内の税制やほとんどの不動産の収益性では、戦略的に最有効利用を追求し、
場合によっては資産の組換えを検討しなければ、世代が交代するたびに、資産が縮小して
いきます。

稼いでいるように見えて稼げない運用には注意する必要がありますが、、、




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